ご先祖様や故人を偲ぶ想いを大切に

彼岸花が美しい季節になりました。

昨日、彼岸の入りを迎えましたが、明後日の秋分の日(=彼岸の中日)をはさんで、前後3日間の1週間をお彼岸と言います。
「彼岸」という言葉は元々仏教用語です。私たちが生きている「この世」が「此岸(しがん)」、仏様がいらっしゃる「あの世」が「彼岸」です。
お彼岸には昔からお墓参りをする風習がありますね。宗教、宗派によっても異なりますが、今回はお墓参りの一般的な作法をご紹介しましょう。
お墓参りでは、ご先祖様や故人を偲び、日頃の感謝や家族の健康、無事を伝え、合掌します。お墓のお供えものを五供(ごくう)といいます。生花、線香、ロウソク、お水、お供物(食べ物)の五つです。五供以外で必要なものは 数珠、手桶、ひしゃく、花ばさみ、マッチ、ほうき、ちりとり、雑巾、ゴミ袋、虫除けスプレーなどです。

基本の流れは

  1. お墓に着いたら、まずは墓前で一度合掌礼拝して、掃除に取り掛かります。周囲の雑草を取り、墓石を傷めないよう、丁寧に墓石を洗います。漂白剤の使用やお酒をふり注ぐのは避けましょう。
  2. 手桶に水を汲み、ひしゃくの水を墓石に流して全体を清めます。
  3. 生花を供えます。暑い時期は葉の傷みが早いので、枯れた葉っぱを取り除き、茎も洗い流すと長持ちします。とげや毒性のある花は避けた方が良いでしょう。
  4. 水鉢(墓石の中央のくぼみ部分)に水をはり、故人の好物などを供えます。お菓子や果物のお供物は置いたままにせず、持ち帰るようにしましょう。
  5. お線香をあげ、しゃがんだ姿勢で合掌します。複数でのお参りの場合は、故人との間柄が深い人、もしくは年長者から順にお参りします。お墓参りの最後に一礼します。
  6. お線香やロウソクの火は、息で吹き消さず、手であおいで消すようにします。お仏壇の場合も同じです。

今年はコロナ禍でお墓参りに行くことが難しい人も多いと思いますが、お彼岸の時期には故人を偲び、ご先祖さまを敬う想いを子や孫へと繋げていきたいものですね。