「えーっとこんにちは。自分は〇〇という者です。どうも」
「僕のほうは〇〇社の〇〇です。
(受け取った名刺だけを見ながら)そっちは〇〇様でよろしかったでしょうか?よろしくお願いします。」

先日の新入社員研修でまずは普段どのように名刺交換を行っているか見せていただいた際、ある男性社員がこのようなやり取りをしていました。
まさに今風の若者言葉満載です。

名刺交換では、訪問した側から、もしくは下位の人から先に名乗ります。
一旦自分の名刺を確認後、相手側に向け直し、名刺入れに置いた自分の名刺を胸より少し低い位置で両手で持ち、相手の目の辺りを見て笑顔で名乗りながら右手で渡し、両手で受け取ります。
この時大切なのは、名刺にばかり注目して、目線が下になってしまわないことです。
また名刺交換に限らず、学生時代アルバイトなどで多用した言葉遣いが社会人となってからもとっさに出てしまうケースがよくあります。
これらは多くの場合、時制や文法的におかしな表現であり、違和感を覚える聴き手も少なくありません。

先日打ち合わせが終わり、普通の会話の内容で、接頭語に「変な話…なんですよね。」や話の途中で「やっぱり …」の言葉を頻用する方がいらっしゃいました。仕事はパーフェクトな方なだけに言葉遣いで損をしているイメージを持ってしまいました。

以前よりだいぶ少なくなってきましたが、若い方々特有の表現の中に
「〇〇みたいな…」「〇〇的には…」など曖昧な言い方が多く使われます。新入社員の中には自信を持って断言することに抵抗があるのかも知れません。
その場合には「まだ勉強不足で申し訳ありません。現段階での私の考えを申し上げますと〇〇ではないかと思います。〇〇先輩はどのようにお考えになりますか?」などとちきんと伝えます。
かく言う私も社会人なりたての頃憧れの先輩に「ご苦労様でございます。」と丁寧に言ったつもりが、帰り際に更衣室で30分以上ご指導いただいた苦い経験があります。

またキャリアを重ねた管理職の方でも間違いやすい言葉遣いに
❌お客様はおられますか?→⭕️いらっしゃいますか?
おるは居るの謙譲語ですので自分か身内にしか使いません。
さらに
❌夏休みはどのようにお過ごしになられますか?
⭕️お過ごしになりますか、
❌こちらもお召し上がりになられますか?
⭕️お召し上がりになりますか?など多重敬語も注意が必要です。

日本人として生まれた幸せは美しい日本語を美しく使うことにもあると思います