常に相手の立場に立って

「笑門来福」。
今年92歳を迎えられ、私にとって人生の師であるM先生から、先日、墨で書かれた素敵な天然木のオブジェをいただきました。
30年来交流のあるM先生は、この言葉通り常に笑顔満開。
波乱万丈な人生経験の一つ一つが力強く、美しいオーラとなり、輝いていらっしゃいます。
いつもどこでも誰に対しても公平で、思いやりと人情味にあふれ、慈悲深く、物事すべてに対してポジティブシンキング。今でも現役の書道家として教室で指導し、ご自身も毎年書道展に出品し、精力的に挑戦し続けています。

早朝4時に起床、明るめのワンピースを身にまとい、ナチュラルメイクで上品な身支度完成。
尊い祈りの信念を持ち、お経を唱えた後は、ゴーヤのスムージーなど旬の野菜たっぷりで栄養バランスを考慮した食事を毎回調理し、家事もしっかりとこなします。
これまでも日本舞踊、ピアノ、水墨画など、多彩な趣味を極め、まさしくアクティブシニアの代表格ともいえる、心から敬愛する女性です。

M先生にお目にかかる度に、これまで92年間の人生の生き方をお聴きするのがとても楽しみ。
毎回、人として最も大切なこと、見失ってはならないこころにはっと気づかされます。

今回も先生の立ち居振る舞いや言葉の端々からさまざまな学びをいただきました。その中でも
① 「優しい微笑みと笑顔を欠かさないこと」
② 「相手の身になって思い、仮に自分がその立場、状況だったらと配慮すること」
③ 「言葉は言霊がある。明るく前向きな言葉を発すること」
を教え示していただきました。

マスク着用であっても目の表情や声のトーン、話しぶりで笑顔の表情は確実に相手に伝わります。
私は毎回、社会人研修や学生への講義の中で、マナー・礼節の原点は「相手を心から大切に想い、尊重し、慮るこころを所作として表すこと」であると伝えています。
今、時代は変化の時。日本人のお辞儀文化や言葉を交わさずとも相手の気持ちを汲み取り、察する力は先人達から受け継いだ、誇り高い慣習や能力の一つと言えるでしょう。
「常に相手の立場、身になって考える。自分がされて嫌なことは決してしない」
今改めてマナーの重要性と品格とは何か、自分自身に問いかけてみる時期であると心得、日々を大切に過ごしたいと思います。