11月にはいると千歳飴を片手にした晴れ着姿の親子連れが、神社に参拝したり写真館で記念撮影する微笑ましいシーンがあちらこちらで見られますね。
人はこの世に生まれて亡くなるまでさまざまな節目を迎えますが、帯祝いやから七五三、成人式、還暦、古希、米寿など賀寿のしきたりまでを総称して「通過儀礼」と呼びます。
鹿児島では昔から七五三より、七草祝いを盛大に祝う傾向がありました。
しかし、最近では1月7日に7件の家を回ることが難しくなったことや、穏やかな11月に家族の都合で参拝できる理由から七五三のほうが一般的になってきたようです。
人生の通過儀礼のひとつである七五三は、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳で行います。
11月15日頃、氏神様(祖先に縁が深く、地元の平穏をお守りくださる神様)などにお参りし、子どもの健やかな成長を祈り両親、祖父母、親族などでお祝いします。
神社では、お賽銭をあげ、お参りするだけでもかまいませんが、人生の節目である通過儀礼では出来るだけ正式参拝したいもの。
鳥居をくぐると見えてくる社務所で申し込みます。
その後本殿でお祓いを受け、祝詞(のりと)をあげていただきましょう。
正式参拝の神社へのお礼は、慶事用の紅白の「もろわな結び」(ちょう結び)の金封を使用します。
水引の表書きは「御初穂料(おんはつほりょう)」や「玉串料(たまぐしりょう)」等とし、その下には苗字だけでなく、子供の姓名を書くのが正式です。
本殿では玉串を納める「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」の後に、普通の参拝と同様「2拝(礼)2拍手1拝(礼)」をします。
七五三は
- )3歳時の髪置きの儀(それまで剃っていた子供の髪を伸ばし始める儀式)
- )5歳時の袴着の儀(幼児から少年へと成長することを祝い、初めて袴を着ける儀式)
- )7歳時の帯解きの儀(これまでの紐付きの着物に代わって、本仕立ての着物と帯を締める儀式)の3つの儀式が融合して江戸時代に定着したしきたり です。
昔は数え年でお祝いをしていましたが、現在は満年齢や数え歳にこだわらず、たとえば上の子が満年齢で5歳、下の子が数え年で3歳という場合も、一緒に「七五三」を祝うなど家族の都合に合わせて行うと良いでしょう。
厳かで神聖な雰囲気に包まれた本殿での正式参拝は、子どもにとって自分の名前が唱えられ、生涯忘れられない思い出となることでしょう。